2021年度研究助成活動 成果報告会を実施  -アーリーステージの研究者の独創的なアイデアを応援する日本初の制度・NEDO等国プロジェクトとして進展-

<要旨>

  1. NEDO事業1)及び共同研究先にて環境省事業2)へ採択:廃海水と生体アミンを用いた新たなCO2鉱物化法の開発(安元 剛 講師(学校法人北里研究所 北里大学))
  2. GI基金事業へ採択3):超効率的なCO2利用ポリウレタン原料製造法の開発(竹内 勝彦 氏(国⽴研究開発法⼈産業技術総合研究所))
  3. JST採択(未来社会創造事業)4):低コストCO2フリー水素製造に向けたCO2 吸着剤の開発(犬丸 啓 教授(国立大学法人広島大学))

 

一般社団法人カーボンリサイクルファンド(CRF)は、2050年のカーボンニュートラル達成のカギとなるカーボンリサイクルの社会実装をサポートし循環炭素社会の実現を目指し2019年8月に設立、現在では、140を超える企業・個人・地方自治体・学術機関からなる業種横断・産学官連携プラットフォームとして機能しています。

CRFは、毎年会員からの寄付金を募り、2050年カーボンニュートラルに資する成果を期待し、カーボンリサイクルに係るアイデアを持つ研究者(研究チーム)に上限1,000万円(総額約1億円規模)の研究助成を実施しています。

2021年度の研究助成を2021年8月から助成開始し、約1年経過した2022年9月29日(木)にCRF会員に向けて成果報告会を会場約50名、オンライン約100名の出席者をもって実施しました。

冒頭、CRF北村副会長より、不安定な世界情勢の中でカーボンニュートラルを達成するためには再生可能エネルギーだけでは十分ではなく、炭化水素化合物である化石資源等の活用を継続していくため知恵を出す必要があること、そのチャレンジの一つが、イノベーションを通じてCO2を資源として活用する「循環炭素社会」の構築であり、CRFの役割がますます重要であることが述べられました。

成果報告では、研究の成果のみならず社会実装に向けた課題やCRF会員との連携を意識した発表が行われ、オンラインや会場から活発に質疑応答が行われました。

成果報告の中で、4件のNEDO事業やグリーンイノベーション基金事業等への採択の報告がなされ、社会実装に向けて着実に進展しています。

  1. 廃海水と生体アミンを用いた新たなCO2鉱物化法の開発(安元 剛 講師(学校法人北里研究所 北里大学))は、海水をCa2原料にして生体アミンを用いたバイオミメティックなCO2鉱物化法という、世界的に見ても例がない新たな鉱物化法の開発です。この研究は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)事業への採択、及び、DAC(Direct Air Capture:直接空気回収)への適用開発研究に向けた取組を環境省令和4年度環境研究総合推進費の中で実施中です。
  2. 超効率的なCO2利用ポリウレタン原料製造法の開発(竹内 勝彦 氏(国⽴研究開発法⼈産業技術総合研究所))は、毒性の高いホスゲンを使用する製造法からの代替法としてカルバメートを利用する手法の課題である圧力と反応時間の長さを緩和するための触媒等の開発を行いました。本研究は、東ソー株式会社を幹事会社として三菱ガス化学株式会社との 2 社が実施するグリーンイノベーション基金事業「CO2 を原料とする機能性プラスチック材料の製造技術開発」の中で社会実装に向けたさらなる研究開発が行われます。
  3. 低コストCO2フリー水素製造に向けたCO2 吸着剤の開発(犬丸 啓 教授(国立大学法人広島大学))は、電源開発株式会社と共同で石炭ガス化複合発電プラントなどの高温高圧の排ガスCO2を直接回収する新規CO2吸着材の研究開発を実施し、これまでにない特性を有する吸着剤の開発に成功しました。本研究は、国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)未来社会創造事業の中でさらなる研究が実施されます。

 

また、発表者からは、「実績のみではなく、研究者個人のアイデアを重視した採択」「自由度の高い助成金の用途」などに対して感謝の意が示されました。

成果報告後のポスターセッションでは、Face to faceの活発な議論・意見交換がなされ、CRF会員並びに研究者相互の交流が促進され、新たな研究者との出会いの場となりました。

CRFは今後も本研究助成活動を継続して実施し、カーボンリサイクルに係る研究者の発掘・育成と社会実装に向けた取組を加速していきます。

 

写真1 挨拶をするCRF北村副会長と国プロジェクトに採択された講演者

写真2 成果報告会の様子

<CRFの研究助成活動の特徴>

図1 CRF研究助成活動概要

図2 研究助成ファンド寄付金拠出企業一覧

図3 2021年度CRF研究助成活動 採択テーマ一覧

図4 2022年度CRF研究助成活動 採択テーマ一覧

2022年度第5回CRオンラインサロンを開催しました。

9月22日(木)14時より、一般社団法人カーボンリサイクルファンド(CRF)主催の第5回CRオンラインサロンをCRF会員約100名の参加を頂き開催しまいた。今回は、2022年度CRF研究助成活動で採択された3件のスタートアップ企業から講演を頂きました。

各社からの講演の後、活発な質疑応答、講演終了後にブレークアウトセッションを開設し個別に議論を深めて頂きました。

CRFでは引き続き、会員に向けてカーボンリサイクルに係る情報提供と交流の場を提供していきます。

 

■開催日時:2022年9月22日(木) 14:00~15:30

■方式  :オンライン(Web-Ex使用)

■内容:2022年度研究助成採択テーマからスタートアップ3件の講演

(1)合成バイオ技術を活用した化学品生産の取り組み 清水 雅士 様(マイクロバイオファクトリー株式会社 代表取締役)

(2)気体から素材・エネルギー創出へ  浅利 大介 様(株式会社Atomis 代表取締役CEO)

(3)未利用バイオマス残渣を活用したカーボンニュートラル技術および炭素価値の創出に関する開発 川谷 光隆 様(Innovare株式会社 代表取締役)

カーボンリサイクルファンドが自民党カーボンリサイクル技術推進議員連盟と対話、会員の推進設備視察と併せて社会実装へ向けた課題を議論

広報活動 カボ・リサ物語第5話を公開しました

カーボンリサイクルについて楽しく学べるストーリーコンテンツ「カボリサ物語」の

第5話をCRFホームページにて公開しました。

第5話では株式会社IHIが福島県相馬市で行っているスマートコミュニティの取組について紹介しています。

是非ご覧ください。

カボ・リサ物語各話一覧はこちら

カーボンリサイクルファンド紹介動画を更新しました

カーボンリサイクルファンドの紹介動画を2022年9月に更新しました。

カーボンリサイクルファンドの広報活動、研究助成活動、その他活動について紹介するとともに、

当法人の会員のカーボンリサイクルの取組についても一部紹介しています。

是非ご覧ください。

日本語版はこちら

英語版はこちら

第4回カーボンリサイクル産学官国際会議2022(9/26開催)にて福田会長が講演します

9月26日(月)13:00-16:30に開催されます第4回カーボンリサイクル産学官国際会議2022にて、福田会長による講演を行います。会議の公式ホームページでは当法人の活動についても紹介されております。

是非講演の聴講、当法人の活動紹介の閲覧をお願い致します。

 

講演の聴講については、公式ホームページ右上の「参加申込」より、事前に参加登録をお願い致します。

カーボンリサイクルファンドプログレスレポート2022 ~カーボンリサイクル社会実装の具体化に向けて~ を公開致しました

一般社団法人カーボンリサイクルファンドは、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、昨年に続きカーボンリサイクル推進の進捗状況及びビジネス化を進めるに際しての公的課題に対する提言をまとめましたのでお知らせいたします。

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、カーボンリサイクルファンドは、産学官との緊密な連携を通じて提言の実行に取り組んでまいります。

 

【レポートの構成】

  1. カーボンリサイクルをめぐる動向
  2. カーボンリサイクルの意義とカーボンファンドの役割・進捗
  3. カーボンリサイクル社会実装に向けたカーボンリサイクルファンド会員アクション進捗
  4. カーボンリサイクル社会実装促進に向けた提言
  5. まとめ

 

CRFプログレスレポートはこちら

 

【カーボンリサイクルファンド概要】

設立:2019年8月30日

役員:会長 福田信夫(三菱ケミカルグループ株式会社 代表執行役エグゼクティブバイスプレジデント)

  副会長 北村雅良(電源開発株式会社 特別顧問)

会員:法人会員109 個人会員17 自治体会員9 学術会員4(2022年8月30日現在)

Webサイト:https://carbon-recycling-fund.jp/

 

【レポートに関するお問い合わせ先】

担 当:神田三奈

メール:info@carbon-recycling-fund.jp

電 話:03-6432-0011

群馬県安中市で、早生桐の植樹祭

カーボンリサイクルファンド会員の(一社)クール・アースが開発する「早生桐ジャパロニア」が安中市に採用され、8月9日に安中市内の観梅公園で植樹祭が行われました。

CRF研究助成で採択された研究がグリーンイノベーション基金に採択されました

一般社団法人カーボンリサイクルファンド(CRF)は、これまで、カーボンリサイクルに係るアイデアにを持つ研究者(又は研究チーム)へ助成し、そのアイデアの育成と社会実装に向けた取組をサポートする研究助成活動を2020年度から実施してまいりました。

2021年度CRF研究助成で採択された「超効率的なCO2利⽤ポリウレタン原料製造法の開発(研究代表者:⽵内 勝彦 氏、国⽴研究開発法⼈産業技術総合研究所)」が、東ソー株式会社を幹事会社として三菱瓦斯化学株式会社との 2 社が実施する国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から公募された「グリーンイノベーション基金事業/CO2 等を用いたプラスチック原料製造技術開発」の研究開発項目3「CO2 からの機能性化学品製造技術の開発」で採択された「CO2 を原料とする機能性プラスチック材料の製造技術開発」の中の1つの開発課題として社会実装に向けたさらなる研究開発が行われることが決定しました。

引き続き、カーボンリサイクルに係る基礎研究等を民間ベースの助成金でサポートするとともに、社会実装に向けた取組が加速するようサポートをしていく所存です。

2022年度第3回CRオンラインサロンを開催しました。

当法人では、会員の方を対象にオンラインでの講演会を月1回程度開催しております。今回、6月28日に第3回CRオンラインサロンを開催し、約100名の方に聴講頂き、2件の講演を頂きました。

1件目は、大崎上島町のカーボンリサイクル実証拠点等を有する広島県よりカーボンリサイクルの取組について包括的な県の支援についてご講演を頂きました。

2件目は、2021年度CRF研究助成で採択された広島大学大学院先進理工系科学研究科先進理工系科学専攻の犬丸啓教授より、研究助成で実施頂いているCo2吸着剤の開発の着想に至ったこれまでの研究業績等について講演を頂きました。

活発な質疑応答やご講演後にブレークアウトルームを使った個別のご相談会も実施いたしました。

 

1.日時:6月28日(火) 15:30~17:00

2.方式:Web会議(Zoom会議)

3.内容

1)CRF会員からの報告

タイトル:広島県のカーボンリサイクルの取組について(広島県商工労働局イノベーション推進チームカーボンリサイクル推進グループ)

2)CRF研究助成採択(CO2吸着剤の研究)

タイトル:無機複合ナノ材料の機能設計 -分子吸着剤,触媒,光触媒- (広島大学大学院先進理工系科学研究科先進理工系科学専攻 犬丸啓教授)

役員の選任等について

2022年度定時社員総会が6月17日に開催され、役員の選任について決議されました。

【辞任】

代表理事・会長 小林喜光 (当法人最高顧問に就任)

監事      吉田泰二

【新任】

代表理事・会長 福田信夫((株)三菱ケミカルホールディングス 代表執行役エグゼクティブバイスプレジデント)

理事      丹生谷晋(出光興産株式会社 代表取締役副社長)

監事      武田孝治((株)IHI 常務執行役員 資源・エネルギー・環境事業領域長)

 

現在の体制については、私たちについてページに掲載しています。

2022年度定時社員総会を開催しました。

2022年度定時社員総会を6月17日に開催しました。

決算報告及び役員の選任について決議されました。

2021年度事業報告、決算報告、2022年度事業計画、収支予算を当サイトの情報公開ページに掲載しました。

広島県カーボン・サーキュラー・エコノミー推進協議会 会員リレーコラムで当法人が紹介されました。

当法人は、広島県カーボン・サーキュラー・エコノミー推進協議会に所属しております。この度、会員リレーコラムが掲載されましたのでお知らせします。

経産新報5月18日号に当法人が紹介されました。

当法人(CRF)会員の株式会社経済新報社が発行する経産新報2022年5月18日号に当法人の活動が紹介されました。

本号は、5月18日~5月20日に東京ビックサイトで開催された第26回自治体総合フェア2022(一般社団法人日本経営協会主催)で配布されました。

再エネ、省エネだけではなく、地域の資源である農林水産業や地場産業を上手く活用し新ビジネス創出に寄与するカーボンリサイクルをPRしました。

また、同紙において、地域資源循環・CO2排出削減に貢献する建築技術であるCLT(Cross Laminated Timber、JASでは直交集成板)が紹介されており、CRF会員の清水建設株式会社や株式会社熊谷組の取組みが事例として取り上げられました。

詳細は以下のリンクをご確認下さい。

研究助成活動公募に係るインタビュー記事を掲載しました

2022年度研究助成公募開始に係りインタビューを受けその記事を掲載致します。

研究助成活動の経緯・活動趣旨や本年度スタートアップ枠を設けた思いなどを語りました。

是非ご一読頂けますと幸いです。

 

<2022年度CRF研究助成活動趣旨>

寄付金拠出社ロゴを更新しました

トップページに掲載している寄付金拠出社のロゴを更新しました。

寄付金拠出社(4/25時点)

使途特定寄付金(広報) 計12社

株式会社IHI、株式会社アドバンスソフト・コンサルティング、出光興産株式会社、山陰酸素工業株式会社、住友重機械工業株式会社、石油資源開発株式会社、電源開発株式会社、東京エコサービス株式会社、凸版印刷株式会社、株式会社福祉開発研究所、三菱ケミカル株式会社、若築建設株式会社 (五十音順)

使途特定寄付金(研究助成) 計11社

株式会社IHI、株式会社アドバンスソフト・コンサルティング、出光興産株式会社、伊藤忠商事株式会社、清水建設株式会社、電源開発株式会社、豊田通商株式会社、丸紅株式会社、三菱ガス化学株式会社、三菱ケミカル株式会社、三菱重工業株式会社 (五十音順)

株式会社日本計画研究所のセミナーにおいて講演します(6月15日)

株式会社日本計画研究所(JPI)のセミナーにおいて、カーボンリサイクルファンドから「カーボンリサイクル、循環炭素に係る取組みと今後の展望」と題して講演します。

参加ご希望の方は、以下URLからお申し込みください。

広報活動 カボ・リサ物語第4話を公開しました

カーボンリサイクルについて楽しく学べるストーリーコンテンツ「カボリサ物語」の

第4話をCRFホームページにて公開しました。

第4話では出光興産株式会社のバイオマス燃料の取組について紹介しています。

是非ご覧ください。

カボ・リサ物語各話一覧はこちら

 

CRF研究助成の採択テーマがNEDO事業に採択されました。

当法人では、大学・企業等の研究者・研究チームの優れたアイデア・発想に助成する研究助成活動を行っております。2021年度は8月に12テーマを採択し、研究を進めて頂いています。

2022年2月25日、NEDO((国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/次世代火力発電技術推進事業/カーボンリサイクル技術の共通基盤技術開発」の研究開発委託事業にて、北里大学、東京大学、出光興産株式会社(当法人の会員)、(株)日本海水が提案した以下の事業が採択されました。

2021年度CRF研究助成活動では、その基礎検討に対して助成させて頂いておりました。

 

事業名:海水と生体アミンを用いたCO2鉱物化法の研究開発

実施体制:学校法人北里研究所北里大学、国立大学法人東京大学、株式会社日本海水、出光興産株式会社

 

当法人としては、助成先等からNEDO等の国プロの研究開発に繋げ、カーボンリサイクルの社会実装を後押ししていく所存です。

引き続き、当法人に対して、ご支援・ご協力を頂けますと幸いです。

広報活動 カボ・リサ物語第3話を公開しました

カーボンリサイクルについて楽しく学べるストーリーコンテンツ「カボリサ物語」の

第3話をCRFホームページにて公開しました。

第3話では電源開発株式会社の水素の取組について紹介しています。

是非ご覧ください。