地球温暖化問題については、NOxやSOxなどの大気汚染問題と異なり、地球全体でCO2排出量を減らしていくことが重要であり、これまでの規制による対策のみでは解決が不可能です。
また、世界の約10億人が、電気の恩恵に供しておらず、エネルギーのアクセス改善が大きな課題となっています。
この様な状況下、CO2を資源として捉え、カーボンリサイクルイノベーションを推進するというカーボンリサイクル政策が我が国のエネルギー政策の重要な要素となってきています。近年、CO2が悪者扱いされてきましたが、今後はむしろ積極的にCO2をカーボン源として利用していき、2050年までに温室効果ガス80%削減という目標達成に向けて、一層の努力を行う必要があると考えています。
今般、2019年(令和元年)8月30日に民間ベースで「一般社団法人カーボンリサイクルファンド」を設立し、地球温暖化問題と世界のエネルギーアクセス改善の同時解決を目指し、カーボンリサイクルに係る研究助成活動や広報活動等により、カーボンリサイクルイノベーション創出支援を行うこととしました。
平成から令和の世となった2019年は、カーボンリサイクル元年ともなりました。
カーボンリサイクルとは、地球温暖化の抑制及びエネルギーアクセスの改善を目指し、CO2を重要な資源と捉え、人工光合成やメタネーションなどに積極的に利用することです。
2019年2月に経済産業省にカーボンリサイクル室が設立され、政府のカーボンリサイクル政策が進展する中、民間ベースでもその支援の在り方について鋭意検討してまいりました。
今般、民間ベースでカーボンリサイクルに係る研究助成活動や広報活動を行うためのファンドを創成することとし、それを運営する新たな団体として「一般社団法人カーボンリサイクルファンド」を令和元年8月30日に設立しました。
一般社団法人カーボンリサイクルファンド
会長 小林喜光
近年、CO2が悪者扱いされてきたことは事実ですが、今後はむしろ積極的にカーボン源として利用していかなければ、2050年までに温室効果ガス80%削減という目標達成は困難と考えます。
そもそも、生命は、植物がCO2と水と太陽光から炭化水素を作り、動物が炭化水素を食して酸素と燃やしてCO2を作るという植物と動物のCO2のキャッチボール、いわば、動物と植物を介したCO2の輪廻転生とも言える現象から生まれました。
例えば、人間の体において、最も多い元素は水(H2O)の酸素(O)を除くと炭素(C)です。
CO2をカーボン源として捉えイノベーションを創出することで、化学あるいは生物分野でもっと活用し、社会に役立てることが可能となり、今後地球温暖化対策として重要となるCCUSという手法に幅ができ、取組が広がってくると考えています。
今後、国のプロジェクトとの連携や国際連携を強化しながら、カーボンリサイクルイノベーションの創出等に努力してまいりたいと思います。
特に自治体との協力のもと、関連プロジェクト等による地元の雇用の創出など、地方創生に貢献したいと考えています。
皆様のご賛同とご協力を心よりお願い申し上げます。
注)CCUSとは
「CCUS」は「Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage」の略で、CO2を分離・回収し、利用・貯留しようというものです。
【役員】
【会員種別】(年会費)
【事業概要】
カーボンリサイクル実現に向けて、実用化するには、コストの課題、基礎的な研究が進展していない等の様々な課題があります。それらに挑戦し、イノベーションを創出しようとする研究者等に対してグラント(助成金)を交付する等の研究助成活動を行います。
Webサイトの運営、各種刊行物等を通じて、国内外の最新の情報を提供するとともに、各種メディアと連携したイベント・シンポジウム・研修会の開催等を行い、カーボンリサイクルに係る啓発活動等の広報活動を行います。
国内外のカーボンリサイクルに係る技術動向を把握するための調査等を行います。
カーボンリサイクルを含め、CCUSを推進していくための国際ルール作りや国のエネルギー・環境・技術開発政策に対する提言等を行います。
※商標申請中