炭酸とは
1.炭酸とは
CO2が水に溶けた状態のことをいいます。
CO2を水に溶かすと
が共存した状態となります。
この③炭酸水素イオン (HCO3–)と④炭酸イオン (CO32-)の割合が多いので、pHは7より低く(5程度)弱酸性となります。
2.CO2の水への溶解
●CO2は水の温度が低いほどよく溶ける性質があります。
●CO2は圧力が高いほどよく溶ける性質があります。
3.身の回りの炭酸
(1)飲料用炭酸水
●ヨーロッパの水道水は硬度が高いため、そのまま飲料用にすることは少なく、上質の水源の水をボトリングしたミネラルウォーターが飲まれています。そのミネラルウォーターは炭酸であるケースも多く地域によっては炭酸の割合が8割を占めます。
●日本では水道水を飲料用に供する場合が多いですが、近年は炭酸が健康に良いとされて、家庭でも炭酸水を飲むようになっています。なお、家庭で炭酸水を手軽に水道水から作れる商品も販売されています。
●年々、国内の炭酸水の消費が増えてきており、生産量は2006年から2016年の10年間で約7倍に増えています。
(2)炭酸泉
●ドイツを始めとするヨーロッパでは天然の炭酸水源が多く存在し、古くから療養目的で利用されてきました。
●日本でも天然・人工に関係なく、CO2がお湯に溶けている炭酸風呂は健康・医療目的としての利用が増えています。
●日本の温泉法では、含有物質に関係なく、CO2が250 ppm以上溶けている温泉を炭酸泉といいます。また、炭酸泉の中でも1,000 ppm以上のCO2が溶けている温泉を療養泉といいます。
●CO2濃度を1,000 ppmに保つため、一般的な温泉温度よりぬるめの38℃程度に設定されており、身体に負担をかけず長く入浴できるといわれています。
●炭酸泉には血管拡張による血行促進効果があり、床ずれ(血液循環の減少・消失によって引き起こされる症状)の治療にも用いられています。
(3)炭酸水による洗髪
●炭酸水で洗髪することによって毛穴付近の皮脂をより効果的に落とすことができると言われています。また、弱酸性のため肌に良いとされています。
【体験レポート】
スパークリングラボメンバーによる炭酸水洗髪体験レポートもご覧ください。
4.海の中の炭酸イオン
●サンゴ礁や貝類は、その主成分は炭酸カルシウム(CaCO3)であり、炭酸イオン(CO32-) とカルシウムイオン(Ca2+) が反応して生成されることにより成長します。
Ca2++ CO32- → CaCO3
●石灰岩は、これらの死骸が海底に沈殿し、隆起して形成されたものです。
●鍾乳洞は、石灰岩が水によって侵食されてできた洞窟です。