イベント 2022年度研究助成活動 成果報告会を実施
<要旨>
- ●一般社団法人カーボンリサイクルファンド(CRF)では、会員からの寄付金を原資として、2050年カーボンニュートラル達成に資する研究成果を期待し、年間約1億円のカーボンリサイクルに係る研究助成を実施。
- ●2022年度の研究助成活動で採択された16件の成果報告会を9月13日に開催、会場約50名、オンライン約100名の参加のもと、質疑応答・ポスターセッションで会員・研究者相互の交流・マッチングが促進。
- ●2023年度の研究助成活動では新たに16件の提案を採択し、8月より研究を開始。
一般社団法人カーボンリサイクルファンド(CRF)は、2050年のカーボンニュートラル達成のカギとなるカーボンリサイクルの社会実装をサポートし循環炭素社会の実現を目指し2019年8月に設立、現在では、180を超える企業・個人・地方自治体・学術機関からなる業種横断・産学官連携プラットフォームとして機能しています。
CRFは、毎年会員からの寄付金を募り、2050年カーボンニュートラルに資する成果を期待し、カーボンリサイクルに係るアイディアを持つ研究者(研究チーム)に上限1,000万円(総額約1億円規模)の研究助成を実施しています。
2022年度の研究助成は2022年8月から開始し、約1年経過した2023年9月13日(水)にCRF会員に向けて成果報告会を開催。会場では約50名、オンラインでは約100名が出席しました
冒頭、CRF橋口専務理事より、カーボンニュートラルを達成するためには再生可能エネルギーだけでは十分ではなく、炭化水素化合物である化石資源等の活用を継続していくため知恵を出す必要があること、そのチャレンジの一つが、イノベーションを通じてCO2を資源として活用する「循環炭素社会」の構築であり、CRFの役割がますます重要であることが述べられました。
成果報告では、研究の成果のみならず社会実装に向けた課題やCRF会員との連携を意識した発表が行われ、オンラインや会場から活発に質疑応答が行われました。
また、発表者からは、「実績のみではなく、研究者個人のアイディアを重視した採択」「自由度の高い助成金の用途」などに対して感謝の意が示されました。
成果報告後のポスターセッションでは、Face to faceの活発な議論・意見交換がなされ、CRF会員並びに研究者相互の交流が促進され、研究者と会員企業との出会いの場となりました。
2023年度の研究助成活動も新たに16件の研究提案を採択し、8月から各研究機関にて研究を開始しています。CRFは今後も本研究助成活動を継続して実施し、カーボンリサイクルに係る研究者の発掘・育成と社会実装に向けた取組を加速していきます。
写真1 成果報告会の様子
<CRFの研究助成活動の特徴>
- ● 研究者(研究チーム)に対して、CO2吸収源活用などのネガティブエミッション分野や社会科学等も含む広範囲なカーボンリサイクルに係る研究に対して助成をする制度です。
- ● 会員からの寄付金を原資として運営される独自の助成制度です。
- ● 助成金額は1,000万円/件を目安に、研究期間は2年以内を目途として、総額は年間約1億円規模です。
- ● 独創性・革新性・従来技術からの優位性を重視し、実績よりもそのアイディアに重きを置いた評価を行っています。
- ● これまでNEDO事業やグリーンイノベーション基金等への採択、民間企業との共同研究につながった事例が増えています。
- ● 研究成果や特許などの権利は、研究者に帰属します。
- ● 2020年は、35件から12件を採択、2021年度は46件から12件を採択しました。2022年度は、スタートアップ枠を設けるなど新たな試みを実施し、一般公募枠・スタートアップ枠合わせて84件の応募から16件を採択しました。
- ● 2023年度も2022年度に引き続き一般公募枠・スタートアップ枠に分けて公募をおこない、合わせて87件の応募から16件を採択しました。
図1 CRF研究助成活動概要
図2 2022年度CRF研究助成活動 採択テーマ一覧
図3 2023年度CRF研究助成活動 採択テーマ一覧
図4 CRF研究助成テーマからの国プロ等への採択事例