炭酸勉強会《vol.1 CO2について》 | 一般社団法人カーボンリサイクルファンド

Sparkling Lab Reportスパークリングラボレポート

炭酸勉強会《vol.1 CO2について》

今回のラボメンバー

  • 安東凜香
  • 糠信ひなの
  • 山田梨央
  • 端田三奈未

ラボメンバーが、今では身近な飲料として生活になじんでいる“炭酸”、また、最近では美容効果や健康増進も期待されている“炭酸”を通じて、二酸化炭素(以下CO2)についての勉強会に参加し、民間の有志で結成された「カーボンリサイクルイノベーション(CRI)研究会」メンバーの方と一緒に座学・実験を通じて学んできました。

令和元年になってCO2を資源として捉え有効活用する『カーボンリサイクル』という国の新たな政策が動き始めました。

カーボンリサイクルイノベーション(CRI)研究会もほぼ同時に立ち上がったカーボンリサイクルのイノベーションを創出するための民間ベースの研究会です。

勉強会では、そもそも「CO2とは何なのか」、「CO2を資源と捉え有効活用する『カーボンリサイクル』」とは何なのかなどについて学びました。

Q. CO2って何?

山田さん:
最近地球温暖化と言われている中で、CO2の削減が重要だというニュースで耳にしますが…
改めてCO2ってどういうものですか?

CRI研究会:
CO2を構成する元素Cが炭素原子で、Oが酸素原子というのは聞いたことはありますよね?CO2は1つの炭素原子と2つの酸素原子が合わさったものです。では、もう少し皆さんの身近なところから、CO2って、どんなところにあるでしょうか?思い浮かべてみてください。

安東さん:
大気に含まれていたり、私たちの息に含まれていますよね。

糠信さん:
光合成の時にCO2が使われて、酸素になると習いました。あとは、ものを燃やした時に発生したり…
ところで、工場の煙突から出ているのもCO2ですか?

CRI研究会:
確かに、工場から出ている煙は環境に悪いというイメージがありますよね。
昔、工場などから出てくる煙には、NOx(ノックス)と呼ばれるや窒素酸化物や、SOx(ソックス)と呼ばれる硫黄酸化物が含まれていて、大気汚染の原因となっていました。そのイメージが皆さんの中にも残っているのかもしれませんね。
でも、今は対策がとられ、このNOxやSOxはほとんど出ていないのです。つまり、私たちが目にしている工場から出ているあの白い煙は、CO2も含まれていますが、そのほとんどは水蒸気なんです。

※NOx、SOxについては、煤塵排出量抑制問題と捉えられ、環境規制強化が図られていた。これを受けて、高性能の環境技術開発等を通じて、実効性、実現性をクリアして問題解決に結びついた。

糠信さん:
そうなんですね。ずっとCO2がでて、それが原因で大気汚染になっているのだと思っていました・・・。

CRI研究会:
誤解がとけてよかったです。さて、他のメンバーの皆さんは、CO2についてどんなことを思い浮かべますか?

端田さん:
炭酸水やドライアイスなどもCO2ですよね!

安東さん:
炭酸とかだと、最近は炭酸パックとか炭酸を使ったヘッドスパ、炭酸泉なども聞いたことがあります。

CRI研究会:
そうですね。地球温暖化で取り上げられることが多いCO2ですが、実は、私たちの普段の生活の中など、身近な存在であることを、少し感じていただけたと思います。特に最近では化粧品にも含まれていたりします。

山田さん:
あまり普段意識しないですが、確かに色々含まれていますね。私もたまに炭酸パックなど使いますが、実際に試してみると顔色が明るくなった気がしています。

CRI研究会:
まさにCO2の効果を肌で感じているわけですね。
では、ここまでのところで、皆さんにとっても、CO2を少し身近に感じていただけたと思います。
ここからは、せっかくの機会なので、実際に目で見て、CO2を実感してみましょう。

身近なCO2を体感する実験

CRI研究会:
最初の実験は、先ほど、皆さんからあげていただいた身近なものとしてのCO2の一つである炭酸水、ここに本当にCO2が含まれていることを実験で確認していただこうと思います。
皆さんの目の前に、市販の炭酸水を置いています。
まず、その炭酸水をガラス瓶に入れて、石灰水を加えて振ってみてください。

山田さん:
白く濁りました!これって小学生の時に理科の授業で習った、CO2をがあるかどうかを確認する実験ですよね。

CRI研究会:
そのとおりです。これで、炭酸水にはCO2が含まれていると分かりますよね。
では次は、ガラス瓶に用意した石灰水にストローで息をたくさん吹き込んでみてください。

安東さん:
白く濁りました!私の息からでたCO2に反応してるんですね。
つまり、CO2が水に溶けて、炭酸水ができるんですね。

糠信さん:
CO2と言われると、目で見えないのであまり実感が日常の中でわかないですがこうやって目で見て確認できると、身近にあるんだなぁと実感しますね。

Q.地球温暖化問題としてCO2の削減は今後どうしたらいいの?

CRI研究会:
実験を通じて、より、CO2を身近に感じていただけたと思いますので、ここからは、CO2と地球温暖化について、皆さんと少し考えてみたいと思います。CO2と地球温暖化という言葉を聞いて、皆さんはどんなことを想像しますか?

山田さん:
何かの報道で、気温がどんどん上昇するということを聞いたことがあります。
さらに暑くなるなんて…

端田さん:
昨年の夏(2018年)もすごく暑かったですし、地球温暖化対策としてCO2を削減しなくてはいけないと言われている中、私たちは今後どうしたらいいのでしょうか?

CRI研究会:
不安になりますよね。でも、今後のCO2削減に向けた解決策として、いくつかあるのです。
例えば、わかりやすく、CO2をできる限り出さないようにする、ということがあります。

安東さん:
CO2を出さないというのは、よく言われていますよね。
私も家では、夏はできるだけ冷房を使わないようにしたり、高めの温度で使っています。

CRI研究会:
日々の生活の中で、私も含め、個人個人が意識して行動することが大切ですよね。ですが、他にも解決法があるのです。それは、CO2を資源として活用するか、あるいは地下に貯留する(CO2 Capture, Utilization and Storage(CCUS)という)というものです。

糠信さん:
「CO2を資源に」とはどういうことですか?

CRI研究会:
先ほどから話に出ているように、CO2は悪い物質ではなく、むしろ安全な物質です。
発電所等の排ガスからCO2を分離・回収し、再利用することでCO2を大気中にできるだけ排出しないという考え方なんです。この考え方、取組を、『カーボンリサイクル』と言います。

カーボンリサイクルとはどんな取組なのかは、次の記事でお伝えします!

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