CCUSバリューチェーンのデジタルプラットフォーム

三菱重工業株式会社は、日本アイ・ビー・エム株式会社と共同で、CCUSバリューチェーンのデジタルプラットフォーム「CO2NNEX」を開発中である。CO2NNEXは、CO2回収、輸送、利活用や貯留を含むCCUSのバリューチェーンを、実測のCO2データと、関わるプレーヤー間の取引をIoT・ブロックチェーンでつなぐもの。CCUSバリューチェーンをデジタル化し、可視化と価値の追跡を可能にし、将来的にはCO2や環境価値の取引そして全体最適を可能とする事を目論む。CO2NNEXを通じた、CO2エコシステム構築の加速と活性化により、2050カーボンニュートラルへの貢献を目指す。

 

CCUSデジタルプラットフォームのイメージ
出典:三菱重工Webサイト

 

 

2022年中にプラットフォームの基盤が完成。現在それを元に国内外の様々なCCS/CCUプロジェクトのステークホルダーと共にデジタル実証を計画又は開始している。CO2NNEXに集まるCCUSのデータを利用することで、様々なサービスプロバイダがそれぞれの価値提供が行えるようにオープンなプラットフォームを構築していきたい。

 

CCUSバリューチェーン全体像
出典:三菱重工Webサイト

 

そうまIHIグリーンエネルギーセンター

IHIは東日本大震災の復興から地域経済再生のための新しい街づくりを目指して,福島県相馬市と連携し、スマートコミュニティ事業拠点「そうまIHIグリーンエネルギーセンター(以下、「SIGC」)」を2018年4月から運営している。下図に示すようにSIGCは太陽光発電による再生可能エネルギーをエリア内で地産地消し、さらに、防災機能の充実、地域活性化を目指すことをコンセプトとしている。

 

スマートコミュニティモデル
出典:IHI資料

 

2020年9月、SIGCで生産・貯蔵されたカーボンフリー水素を技術実証に活用する水素研究棟「そうまラボ」を同センター内に新設された。そうまラボでは、カーボンフリー水素などを使用し、メタンやアンモニア、オレフィンなどを合成する「Power to X」技術を検証することを想定している。そうまラボに設置したメタンを合成する試験装置は、水電解で得た水素とCO2を原料にして12Nm3/hのメタンを合成できる。

 

 

そうまラボ(左)と同所に設置された12.5Nm3/h規模のメタネーション設備(右)
出典:IHI資料

 

政府が宣言している2050年までのカーボンニュートラル化を達成するためには、地域再エネの有効活用とカーボンフリー水素のバリューチェーン構築が重要な役割を担うと考える。SIGCで培った地産地消エネルギーマネジメント技術とPower to X技術は、それらに欠かせないキーテクノロジーであるため、IHIはスマートコミュニティモデルの普及・拡張に取り組んでいる。

 

【参照URL】

https://www.ihi.co.jp/ihiing/decarbonization/20220509-01.html