IHIは東日本大震災の復興から地域経済再生のための新しい街づくりを目指して,福島県相馬市と連携し、スマートコミュニティ事業拠点「そうまIHIグリーンエネルギーセンター(以下、「SIGC」)」を2018年4月から運営している。下図に示すようにSIGCは太陽光発電による再生可能エネルギーをエリア内で地産地消し、さらに、防災機能の充実、地域活性化を目指すことをコンセプトとしている。
スマートコミュニティモデル
出典:IHI資料
2020年9月、SIGCで生産・貯蔵されたカーボンフリー水素を技術実証に活用する水素研究棟「そうまラボ」を同センター内に新設された。そうまラボでは、カーボンフリー水素などを使用し、メタンやアンモニア、オレフィンなどを合成する「Power to X」技術を検証することを想定している。そうまラボに設置したメタンを合成する試験装置は、水電解で得た水素とCO2を原料にして12Nm3/hのメタンを合成できる。
そうまラボ(左)と同所に設置された12.5Nm3/h規模のメタネーション設備(右)
出典:IHI資料
政府が宣言している2050年までのカーボンニュートラル化を達成するためには、地域再エネの有効活用とカーボンフリー水素のバリューチェーン構築が重要な役割を担うと考える。SIGCで培った地産地消エネルギーマネジメント技術とPower to X技術は、それらに欠かせないキーテクノロジーであるため、IHIはスマートコミュニティモデルの普及・拡張に取り組んでいる。
【参照URL】
https://www.ihi.co.jp/ihiing/decarbonization/20220509-01.html