Case Study取組事例

光によりバイオガスからギ酸を生成する技術

  • 業種:
  • 電気・電⼦・機械・輸送機器
  • 分野:
  • 化学品
  • 燃料
実施会員:ウシオ電機株式会社

家畜ふん尿や生ごみ、食物残渣などの嫌気性発酵で得られるバイオガスは、温室効果ガスであるメタンが約60%含まれており、エネルギーとして活用できます。現在、そのバイオガスのエネルギー活用のため各地でプラントが建設され、メタンガスをボイラーや発電機の燃料として利用して熱や電気を取り出していますが、その過程でCO2が発生するという課題があります。また、取り出した電力の活用目的は、固定価格買取制度(FIT)を利用した売電というケースが大半を占めますが、そのFITも近い将来に終焉を迎えるといわれており、FIT終了後のバイオガス活用について多くの議論がされています。

ウシオは、二酸化塩素を用いた光反応でCO2を排出することなく常温・常圧下で空気とメタンからメタノールとギ酸を作り出すことに世界で初めて成功した大阪大学の大久保 敬教授と共同研究を進めています。これまで培ってきた光技術を使い、その光反応に最適な「光」とリアクターの開発を目指しています。

この技術を応用することで、バイオマス事業・酪農・下水処理場などで排出されるバイオガスの一部を、温室効果をもたらすことなく貯蔵、運搬可能な液体エネルギーとして利用することが可能となります。今後は実用化に向けさらに研究・開発を進め、2024年に実証実験を開始し、2027年の事業化を目指します。

反応メカニズムの概要

出典:ウシオ電機WEBサイト

 

二酸化塩素によるメタンの光酸化の反応式

出典:ウシオ電機WEBサイト

 

バイオマス由来であるこのギ酸は、化石資源の置き換えとしての可能性があると考えています。マスバランス方式を活用することで、100%バイオマス由来と認定された化成品の生産にも役立てる可能性を秘めています。

バイオギ酸の新たなニーズ開拓とともに活動を進めてまいります。

 

バイオギ酸の利活用シーンのイメージ

出典:ウシオ電機WEBサイト

 

参照URL

https://www.ushio.co.jp/jp/news/1002/2022-2022/500982.html

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