積水化学は二酸化炭素(CO2)を一酸化炭素(CO)に高収率で変換するケミカルルーピング型逆シフト反応技術を開発し、
CO2から変換したCOを経由するCCUSプロセスの確立とサステナブルな社会の実現に向けた技術開発を推進している。
CO2からCOに変換する技術として知られている水性ガス逆シフト反応は、平衡反応であることから
CO2からCOへの収率は50%程度であるが、当社は独自開発したケミカルルーピング技術と触媒によりCO収率90%以上を達成した。
更に、貴重な資源である水素を無駄なく活用するため、水素の転化率も75%以上に向上させているとともに、
硫黄系不純物への耐性も評価し、排ガス由来CO2への処理適正の確認も進めている。(図1)
図1 ケミカルルーピング技術概要
出典:積水化学工業資料
本技術の実証は、2021年度からのNEDO委託事業で、アルセロールミタル社と鉄鋼由来排ガスを用いて進めており、
CO収率90%以上、水素転化率75%以上を達成、現在スケールアップを検討している。(図2)
図2 アルセロールミタル社との実証内容
出典:積水化学工業WEB(一部加工)
鉄鋼プロセス以外にもバイオモノづくり技術への適用を検討しているほか、東海カーボン(株)や
コスモエネルギーホールディングス(株)と協定を締結しCCUSの実現に向けた取組みを進めており、
CO2変換やCO供給需要があるパートナー候補の探索を幅広く進めている。(図3)
図3 ゴミ焼却場由来CO2を用いる高付加価値化学品合成
出典:積水化学工業WEB(一部加工)
参照URL
https://www.sekisui.co.jp/news/2023/1388996_40075.html
https://www.sekisui.co.jp/news/2023/1386118_40075.html
https://www.sekisui.co.jp/news/2023/1386374_40075.html
https://www.sekisui.co.jp/news/2023/1393845_40075.html