Case Study取組事例

微生物燃料電池を利用した二酸化炭素ガス回収・固定化技術

  • 業種:
  • ⼟⽊・建設・不動産
  • 学術・研究機関
  • 分野:
  • CO2分離・回収・貯留
実施会員:新日本空調株式会社 共同研究:国立大学法人東北大学

新日本空調株式会社は2021年より国立大学法人東北大学(総長 大野英男)大学院工学研究科の佐野大輔教授とともに二酸化炭素の回収・固定化技術の実用化研究を進めている。
本研究では、アルカリ性溶液に二酸化炭素を化学反応で吸収させる化学吸収法において、微生物燃料電池(Microbial fuel cells:MFC)を用い、独自の手法でアルカリ性溶液を生成している。MFCとは、微生物の代謝能力を利用して有機物などを電気エネルギーに変換する装置である。これまでMFCは、下水や汚水などに含まれる有機物を供給することで、有機物の酸化分解(水処理)を行いつつ、発電を行なうことを主な目的として研究開発が進められてきた。

 

空気カソード式MFCによる大気中二酸化炭素固定の模式図

出典: 新日本空調

 

東北大学での実験状況

出典: 東北大学

 

新日本空調と佐野教授らのグループは、エアカソード型と呼ばれる、大気中の酸素を直接利用する方式のMFCを運転する過程で、アルカリ性溶液が生成されることに着目し、ここに二酸化炭素を反応させることで、二酸化炭素ガスを化合物(炭酸塩)として回収・固定化する手法を考案した。この手法によって、①有機物の酸化分解(水処理)、②発電、③二酸化炭素回収・固定化の3つの効果が期待できる。

 

また、本研究は2022年に一般社団法人カーボンリサイクルファンドからの研究助成を受けている。この研究助成を活用し、 2023年6月から実際の汚水処理設備で有機物をMFCに供給し、連続運転を行い、その運転データを取得する検証試験を実施した。

 

参照URL
https://www.snk.co.jp/news_info/news/?itemid=452&dispmid=892&TabModule1201=1

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